シトロエンC6の整備 その5003

ちょっと仰々しく書きすぎたのか、いろいろな方からあれこれメールやお話を頂きますが、みなさまこの場から御礼申し上げます。
しかし、それにこたえてしまうとネタバレになってしまうので、もう少しこの話には続きがありますので、お付き合いください。
途中で飽きて終わっちゃったらごめんなさい(笑)

もう大海原に向かい、湾内から出ようとしているわが船C6号。まだ陸地が見えますから戻るなら今なのですが、僕らは前を見ています。

子供の頃、ご飯にお箸立てちゃダメでしょ、と翌怒られた物ですが(笑)

自動車と言うのは内燃機で基本構造は同じ。創意工夫があればいつかは終わりが来ます。
現代に生きる僕らにとって今はあまりに情報過多、横着しすぎなのですよ。ナビなんか使うとぜんぜん道を覚えないのと一緒です。
僕がこの業界に入った時は当然、何もないから親方や先輩らの仕事を見て覚えて、失敗すると怒られて、でももっと上達したいと思うから無理をしてでも頑張って、そうしてスキルを上げてきたのです。

ではC6のタイベルをちゃっちゃと進めましょう、と言うものの躊躇が先に出ます

スペースはアルファロメオのV6に比べれば比較的自由がありそうに見えますが
エンジンマウントを外して下からジャッキで持ち上げながらあれこれ分解していきます。スプロケット固定用のペグは全て入れた状態になっています。
アイドラーを外していよいよベルトを外します。

この方法はすごく合理的で、作業がしやすく良く考えれています。お国が違うといろいろなところが変わります。
でも日本と違うのは必ず専用工具でバルブタイミングを決める事です。方法を理解して進めれば必ず、完璧な点火タイミングになるようなります。
この時は知る由もありませんが、このテンショナーもどうやって最終的にベルトを張るのか後にならないとその謎が解けないのです

アルファよりも一つ一つの部品が大きく、アイドラーを多く使う事で長いタイミングベルトの寿命を長くしているようです。
これなら10万キロとか持ちそうです。アルファに比べると凄くち密で正確、丁寧な印象を受けます。
僕が長らく使う修正機のセレットもフランス製。世界最高峰と呼ばれるジグ式修正機で、実に正確に事故車の復元が可能です。

迷いながら検証しながら進むので進むスピードが遅いです。もう一度アイドラー戻してみたり。
しかし一方で吉報もありました。RSウーノの星野社長さんが独自で造ったタペットカバーガスケットを分けていただけることになり
お願いすることになりました。
今あるカバーを送ってリビルドして送り返してくれて、金属のカバーのはガスケットを送るので、自分で貼って使ってくださいとのこと。
本当に感謝であります。

しかしそのタペットカバー、手前は良いけど奥はかなり大変。ハナが長いのでアンドレザジャイアントくらい背丈があればいいけど、そんなことないのでクルマに乗っかって外します。

プラスチックと金属のタペットカバー。しばしお別れして、RSウーノさんちに単身、行ってきます。

どこか足りないのか、そうでもないのか解らないようなエンジンルーム。

インテーク側のVVTスプロケットのキャップのOリングも変えなきゃ

一方で同時期に作業したカングー

これもウルトラ狭い、作業しにくい、大変となかなかのツワモノ。C6はさらに作業がしにくい。
おフランスではどうやって作業しているんだろう
きっとフランスでもこの同じ空を見ているんだろうなと、空を見上げて未だ見えぬ北極星を思う夜なのでした。

まだまだ続きます。

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

前の記事

シトロエンC6の整備 その5002

次の記事

Sign of the Polaris.