Unconscious malfunction
2年前に販売したヌヴォラの166が思わぬ形で里帰り
その前にバッテリーが上がってしまったという訴えを頂いていて、バッテリーをジャンプさせてエンジンをかけたらギアの調子が悪いようだとの新たな展開。ATのマークが点いて、調子がすごく悪いとのこと
最初はバッテリー上がりによるスロットルの学習がすっとんだだけかと思ったらそうではないようです
結局レッカーで直接運ばれてくる事になり、毎度おなじみな画像に。
ATの警告灯が点灯するとATを保護する為に、いわゆるセイフティモードになり、3速ホールドになります
するとクルマを走らすときにはまるで、クラッチが滑っているかのような走り出しになります。
なるほど、エンジンをかけてもシフトロックが解除されません。MPIに到着したときはATの警告灯は消灯していましたが、ブレーキを踏んでも何の音もしません。
ははん、これは典型的なブレーキランプスイッチの故障だなあ
と思って運転席の足元のカバーを外そうとすると
なんとなんと!びっしょびしょです。こんな所がびしょびしょに濡れているなど、全く経験がありません。
このカバーがぬれている事が示すものはエアコンのブロアファンからの水の浸入以外考えられません。
なんと言う事でしょう? このクルマはもともと手付かずの状態からあちこち修理して仕上げたクルマです
もちろん、ヒーターコアも交換しています。するとどこか整備に問題があったのか?
いろいろな事が脳裏をよぎります
しかし、このクルマ、工場の前に置いて尚、水が出続けます。
最初は何とも思わなかったのですが、ここに置いて24時間経ってもこのような感じ。
しかし2日経っても止まらず同じように結構な量が出ます。そこそこ温度が高い日が続いたので、少量の排水なら地面が乾きますが、乾かずにご覧のように出続けるのです。
3日の朝にほぼ止まり、水が出てくる位置もおおよそつかめました。
まずはカウルトップを外しまして
そしてエバポレーター付近を点検します
ワイパーの下に水はありません
しかし中央寄りを見てみると水の存在が確認できます
しかも結構な量があります。3日も排水したのに、一体どんな事になっているのでしょうか?
カウルトップの下、すなわちエアコンユニットの周りはすごくスペースがタイトなので肉眼ではほとんど見えません
そこで内視鏡を入れてみます
エバポレーターの下には相当な量の水が溜まっています
まるでどこかの海溝を見ているような感じです。ちなみに日付は関係ありませんからね。
これは大変な事になりました
何かしらの理由で水を排出するべき穴、僕らがダストシューターと言っている穴が詰まっているのでしょう
しかし、ダストシューターと呼ばれる穴はその名のとおりかなり大きな穴です。こんなにでかい穴でなくてもよくね?と言うほどでかいのです。それが詰まるとはにわかに考えにくいのです
ここまでをユーザーに報告しましたが、心当たりは全く無いそうです。
いつの間にか? いやいやあのダストシューターはそんな簡単に詰まるような大きさではありません。
誰かが作為的に? いや、エアコンユニットがあるからできません。
下から詰め込んだ? これもちょうどステアリングギアボックスの真上になるので、下からは「穴」を見ることすらできませんもう前から詰まっていた?
いやいや、このクルマはヒーターコア交換を作業したときに見ています。
http://messiah6551.sblo.jp/article/187789446.html
するとどうやってこのような状態に?
その真実は風の中に….
とりあえず動かすのにATのコントロールユニットを交換するためにATの横のカバーを外したら、全体的に濡れていました。
ATコントロールユニットを外して、コネクターを外すと、なんとECUから結構な量の水が出てきました。
これには例のエンジンルームと分ける壁、バルクヘッドを外して作業するようになりました
片っ端から外していきます。メイン電源の大きなハーネスやヒューズボックスなど
狭すぎてラチがあかないので、
サージタンクを外しました。あるとかえって見えないのでばらしていきます
苦労の甲斐あって「壁」を外しました。ああ、腰が痛い。
さてここまでバラせば、例の「穴」を何かしら攻撃できるだろうとあれこれ工具を持ってきて、「穴」を攻撃しますがエバポレーターケースがあるので真上から攻撃できず、あきらめました。
もはやエアコンのユニットを完全にばらばらにして「穴」を真上から攻略するしか方法がなくなりました。
このところヒーターコア交換でもないのに「壁」を外す仕事が多いです。
続きはまた次回
小河さんのご苦労がリアルに伝わってきます。実況中継を見ているようです。
ありがとうございました!
いえいえこちらこそ。