フレームワーク
修理の為に分解中の147
事故の衝撃により影響を受けた部分を切り取って行きます
イタリア車は昔からクルマが柔らかいです。
ご存じの方も多いと思いますが、ランチアデルタなどジャッキで上げると、ドアの開閉が困難になったりします。
テーマや155もそうです。ジャッキアップすると全体的歪みます。
さすがに最近のクルマはそうでもないですが、国産車に比べると段違いで柔らかいです。
ドリルの刃がぐいぐい食い込んでいきます。
この丸い跡がスポット溶接された跡で、この部分をドリルで削り落としていくのです
削りたいところには予めマーキングをしておいてドリルを当てていくと作業しやすいのです
切り取る相手は必ずしも減刑をとどめていなくても良いので、削りやすい状態にしてドリルを当てていきます。
車両左側のフレームは損傷がひどく多くの部分を交換していきます。ビームが車両中央側に向かって曲がり、フレームの衝撃を吸収する凸凹の部分が衝撃をいなしているのが良く分かります。また、フレームのパネルの間に薄い鉄板が入り、ここでも衝撃をいなしているのが分かります。
差厚鋼板を使った衝撃吸収技術です。
リーンフォースメントビームの潰れ方が衝撃の入力の強さを物語ります。
この左のフレームは残すところと切り離すところが複雑に絡み合っています。慎重に削る場所を選んでマーキングします
不要な部分は切り落としました。その上で作業を進めますが、残りのスポット溶接部分を切り取るのに、フロントフェンダーがジャマなので取り外します。
一般的にフロントフェンダーを外すのはボルトで全部止まっているために、比較的簡単と思われがちですが
このクルマはそう簡単にはいきません
あちらこちらがシーラーなるボンド状の材料でびっちり止められています。
これを剥がすのにうんと時間がかかります。
こちらは交換される部品なので、どんな状になっても大丈夫なので気は使いませんが。
とくんい下側は何十にもシーラーが塗られ、さながらボンドの海で止められた状態のようです。カッターをガシガシ入れて切り離します
無理やり剥がしました。全体像はこちら
ドリルで削る事を「もむ」と言います。
スポット跡を専用のドリルでもんでいきます
どっぷり夜も更けて寂しい時間帯に作業しています。
自動車のフレームを交換するときにスパッと切り落とした断面で溶接してはいけない約束事があります。
なるべく互い違いに溶接するのです。
このパネルは1枚がすごく長いので、いわゆる半裁交換と言う方法です
こんな風に心細いカタチで残します。
後は交換するのです
反対側はこのような感じです。
暑い日が続きます。この手の作業はつらいですねえ。