車検、車検と言うけれど

以前にも書いたことがありますが、普段何気なく行われている車検。
制度は古く、ドイツやイギリスのものを参考に作られたと聞いたことがあります。

日本の車検制度は多額の税金にまみれているので、いわゆる国交族議員が居るのは、税金の動くところ政治化が居る的な感じで
中古車販売組合も総会があれば結構な人数の政治家が出席します。
車検には重量税、自賠責保険、手数料印紙と税金がバリバリ出てくる上に、自動車税の納付が確認できなければ、そもそも車検を受ける事ができません。
ちなみにぜーんぜん税金に関係ない車体整備組合は与党の政治家などほとんど関係せず、存在も整備振興会に比べるとぜんぜん大きいイメージがありません。

やはり国がからみで、法律で整備されている車検制度なので、厳正なルールがあるのは皆様ご存知の通り
ただ守るべきルール=整備されたクルマは何の問題もなく、2年間公道を走れることを認可されるのが車検と思えばよいです。

この法律の下、整備工場は国からの認可を受けて分解整備を行う認証工場と、国土交通省から指定を受けてその工場で車検を行う事ができる指定工場、すなわち民間車検場があります。

特に民間車検場は検査員が車検項目に合致しているかを確認する為に、検査員はみなし公務員とされ、車検を不正に通すと逮捕されるのです。
一方、認証工場は検査場にクルマを持ち込むために不正の使用がありません。

おまけに認証工場は合格するクルマを持って来る前提なので、とりあえず通してみて、と言うのは基本的にできません
「前回の車検では通った」という言葉は免罪符ではなく、車検に通るように整備して持って来たのだろう?と言う前提になるのです。
今や昔と違い、整備工場では測定できない近接騒音やディーゼル車の排気ガスなどはどうにもできないので、基本的には行ってみないと、と言うのはありますが

しかし… 絶対に通らない、とおぼしきクルマって結構あるのです
で、車検証をよく見ると指定工場整備って書いてあるのですよ。

いや、努力の末にどうにか通った、もしくは通したというのもあるでしょう、2年の間に悪くなった、なんていうのもあるかも知れない。
でもその次元じゃない物もかなりあるんですよ。

では「その次元じゃない」のは、どうなるのかと言うと
そういった受け皿が存在するのです。
ちょうど摘発を受けたニュースを見ましたが

クラシックカー「ペーパー車検」容疑 整備せず、30年で2千台か(朝日新聞デジタル) – Yahoo!ニュース
トヨタ直営店「レクサス」の車検不正は565台 – イザ! (iza.ne.jp)
特報SCOOP!! ホンダ直資「カーズ東京中央」に不正車検疑う国の臨時監査入る!! | MAGX NEWS (mag-x.jp)

人手不足は勿論の事、クラシックカーは部品が存在しなかったり、修理が不可能だったりするクルマが多々あるので、何か対策を講じてもいいように思いますが、爆音のマフラーや壊れて光軸が動かないヘッドライト、極端に低い車高、でっぱり、はみだし、フィルム加工…などなど改造目的で不正に車検を通ってきたクルマを直すのが最も難しいです。

じゃあ、部品のないクルマはどうするんだ?とか
直せないクルマはどうすんだ?
だからこういった不正車検がなくならないのでしょう。
これは難しい問題です。

摘発された工場は全くしりませんが、一概に責められない部分も僕はあるように思いますがね…


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