Still remain.

アイドリングの不調からエンジン再始動困難になりレッカーで入庫した155
点火系とアイドルバルブの交換で見事復活し、調子よくなりました

連日軽くエンジンをかけっぱなししたり、郵便局に試乗を兼ねて出かけまして、調子よく走り
ユーザーに報告、修理が終わったら保険会社が再び、引き取って納車してもらえるそうなので、その依頼をお願いしてしばらくたったある朝

ファストアイドル中にエンジンを止めると、再始動が困難になる事案が出ました。
この時もまたすぐには再始動できず、その代わり数時間で再び何事なかったように調子が戻りました

さすがにそのまま返すわけにはいかず、事情を説明して引き取りの手続きを中止してもらいたい旨を伝えました

その後、試乗を繰り返しもっと長い距離を走る事にしました
自宅との往復で20km以上あるので、通勤に供するとなるほどアイドリングの不調が再発しました

今回は前ほど深刻ではなく、長く乗るとアイドリングが2000回転位いになったり、元に戻ったりします
なぜか3速1500回転を低速で行うと、その症状が出やすく、だんだん上手に症状を引き出せるようになってきました(笑)

しかしいずれの時も再始動に苦労はなく、普通に再始動できましたがこの状態はどうもよろしくない

実はECMか?と疑うも

以外に現代的なECMでその可能性は低そう

念の為に最近導入した顕微鏡で点検します

もう目が悪くなって、ハズキルーペや頭に書けるスコープでも不自由なので、導入した顕微鏡
これは実に便利でコンデンサーや小さなトランジスタ、レギュレータなどのはんだ付けがすごく楽になります

で、いわゆるアルミ電解コンデンサーなど殆ど使っておらず、多くはセラミックコンデンサーを使った微弱信号の回路
同じような年式の14系クラウンのECUとはずいぶん違いモダンな印象をうけます

で怪しそうなはんだ抜けは1か所ありましたが、拡大するとそれほど危険ではなさそうです

足をゆらしても直接問題になる感じではありません

しかし、困ったのは155の配線図はネットでも安く出回っているのですが、親のコピーが既に不鮮明でもう線色とかピンアサインが識別不可能でした
ebayで買った配線図は完全にムダになってしまいました
おかげでどこでアイドルバルブのモーターを動かしているのかわからず終いでしたが、駆動用のパワートランジスタに問題があるように思える基板ではなかったのでここは無罪放免。

もう一度、落ち着いて考えます。
そもそもアイドルバルブが回転を高くさせる理由。

この時代の制御方法などかなり単純でエアコンのスイッチのON/OFFや、ハンドルの据え切りでターゲットアイドルから落ちた信号をクランク角センサーからECUが受け取り
モーターで空気の通るゲートを広くしたり狭くしたりしている位ですです。
今回そこの膠着を疑ったわけですから

ではECUに異常がなければなぜそのようにするのでしょう?
そこではっと思ったのがプラグです

真っ黒でしたね

良い火花、良い圧縮、良い燃料(混合気)を言いました
調子の良いときは不調など微塵も感じさせず、楽しい走りをする155だったので、圧縮に問題があるなど到底思わず
点火については、ごっそり交換して最上の火花が出せます
でも最後の燃料についてはどうでしょう。プラグが真っ黒なのが物語ります。濃いのです

薄い濃いを決めるのは吸入空気量を測るエアーフローセンサー。エアマスなどとも呼ばれるのはまさしく量を測るクローズドループの根幹だからでしょう
それから燃焼後の排気に混じる酸素量を測るO2センサー
そしてしんがりを務めるのは、水温センサーです。

水温センサーは冷間時には多くガソリンをふかせる役割があり、またその情報に基づいて、アイドルバルブを全開にさせてエアを多く取り込み冷間時のエンストを防ぎます
もちろん、常に空燃比を監視するO2センサーも冷間時にはヒーターを焚いてその任務を全うするのですが、O2センサーのヒーター線が切れるとチェックエンジンが点灯するかと
そもそも排気温度が上がれば正常に働くでしょう

すると状況証拠としては水温センサーが怪しい、ここは水温センサーを確保だ


水温センサーはいくつかついています。一つはメーター用、一つは電動ファン用、そしてエンジンコントロール用など
1回路1センサーが原則で情報の使いまわしはしません。エンジンコントロール用はだいたいサーモに近い所のように思います。そんなことない?

こいつです。
確保しまーす

20数年間仕事をしてきたセンサー。

なんと代替を在庫していました(笑)

さっそく取り付けると、替える前から調子良いので調子よさは変わらず、アイドリングが高くなるのはなくなりました!
どこか走りも良くなった気がします。
しばらく試乗を繰り返して様子も見ます

年の為にカプラーも防水の物に交換します

どこか側面が黒っぽくなっている部分があります。
翌これが抵抗になると聞いた事がありますがどうなのでしょう? やがてこの年代のクルマ全般に言える事になるように思いますが

カプラーヘッドを通します

あとは熱伸縮チューブを縮めて出来上がり

予後の経過は良いようで、数日間、いろいろなシーンで乗りましたが事象は発生しませんでした
そして昨日、再びレッカー車に載せられユーザーの元に帰っていきましたとさ

今回、診断機があればかなりスムーズに行けたとは思います。でも大いに反省すべきは、診断機に頼りすぎる背景を浮き彫りにした事案でもあります。
以前にもありましたが、必ずしも診断機が使えるとは限らない事をいつも想定して丁してトラブルシュートしないといけませんね

しかしながら怪しい部分をクリアして初めて判る部分もあります。今回の作業を快諾していただけたユーザーの方には感謝しかありません

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Still remain.”へ2件のコメント

  1. 匿名 より:

    ありがとうございました。その後、絶好調です。
    いわゆる下からの付きが良くなった感じすらします。
    エンジンが元気になると気持ちいい~!
    そうなると・・・涼しくなったらヒーターも直して、まだまだ乗りたい!

    1. mpi-bp より:

      こちらこそありがとうございました
      是非またその時期が来たら是非またよろしくお願い致します

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