Judas Priest私考

僕は中学の頃にジューダスプリーストに出会ってからどれほどの時間を費やしているでしょうか
1枚のアルバムを聴くと約45分ですから4枚聴くと180分、つまり3時間なわけです。

1週間に延べ20枚再生すると15時間ですから、まあ、聞けない時期もありましたから55-15才で40年
1年を52週とすると52x40=2080週、それに15時間をかけると31200時間
なんとぶっ通しなら1300日、年換算ならなんと3.56年間、無休で聴いていることになりますからソドムの120日も真っ青なのであります

しかしその中でもジューダスの作品は個人的には前期、中期、後期とみることができます。
黎明期にはロッカローラが発売されますが、これは正直なところ僕はちゃんと聴いてないのです…ジャケは大好きでしたが

いい加減でありますが、なので2枚目のSad wings of destiny からHell bent for leatherを前期と考えます。
中期はBritish steelからドラマーがデイブホーランドに変わり、Diffender of the faithまで一気にNWOBHMの色が濃くなります。
後期はTurboからで、ここから先はほぼ余生と考えて良いでしょう。個人的には殆ど聴きませんし興味もほとんどありません。

今回はその前期についてです。

これも正直なところ若い頃にはそれほど好きでなかった部分が多い前期のジューダスプリーストですが、今更ながら実はかなり作品の完成度が高いです。

まだバンドロゴも決まっていないのか単なる筆記体
しかし、内容は協力の一言に尽きます。
Victim of changes
The ripper
Tyrant
Genocide

後のジューダスのライブを支える曲が多く入ります。

わ、若い…

曲の良さとは裏腹に古いギターのサウンドがキッズだった僕の心には刺さらず、当時ライブばかり聴いていました
そりゃ1976年の発売ですから、まだマーシャルアンプもプレクシ時代です。やっとスタックシリーズが世に出てきたころでしょう
ピンスイッチのヘッドが見えます

前作の発売から約1年後にメジャーレーベルから発売された背信の門(Sin after sin)は前作と似た構成を感じさせるアルバムです。
僕のきらいなロジャーグローバーがプロデュースをしています。

こちらも名曲ぞろいです。
Sinner
Diamond and rust
Starbreaker
Let us pray/ Call for the priest
Dissident Aggressor
などこちらものちのライブを構成するのに欠かせない曲揃いです。

本当に良いアルバムで、今のロブハルフォードしか知らない世代には別人に聞こえるはずです。

ドラム職人、レスビンクスが加入したのもこの頃です。アルバムはかのサイモンフィリップスが叩いています。

日本では♪わーたしピンクのサウスポー♪なんて曲が席巻していた時代、ジューダスプリーストは超名作のステンドクラスを発売します

ドラムのレスビンクスも定着してバンドサウンドもかなりレベルが上がってきます。
特にシングルのBetter by you better than meはカバーですが、実に良い出来です。
また、当然のように1曲目のExiter
さらには最高傑作のひとつ「死の国の彼方に」が収録されています。

前作同様ロブハルフォードの超人的なハイトーンボーカルは留まるところをしりません。

音はそれなりに時代をかんじさせるペナペナ具合ですが、これが1978年の初めに造られた事を考えるとスゴイもんです。

でも正直なところこの時代のジューダスプリーストを本当に良く思って聴くようになったのは結構大人になってからでした。
エキサイターや死の国の彼方になどはそれはそれは良く聴きましたが、その他を聴くようになるまでは時間がかかりました(笑) 傑作とか言っておきながら(爆)

勢いがあるというのはスゴイもので、この年の10月には、もうニューアルバムを発売します。
二枚組にでもなる予定だったのかな?
殺人機械です

このアルバムは仕向け地によってタイトルが違っていて、おまけに収録曲まで違うのです。
Killing Machineかと思えば、Hell bent for leather だったりもします。
で、これは当時、タワーレコードやディスクユニオンで輸入盤を買わないといけなくて、でないとGreen manalishi が収録されていないのです。

このアルバムから大作思考は影を潜め、すこし音がモダンになり現代のヘビーメタルの礎に近くなってきました。


1曲目から比較的親しみやすいメロディです。それなのにレスビンクスは随所にツーバスを入れてきたり
全体的に判り易い内容になってこのバンドの方向性がかなりはっきりしてきます。

アメリカ盤のタイトルトラックHell bent for …は時代を問わず演奏されていますし
Take on the worldは今までのジューダスの概念を変えるような曲です。

正に勢いが止まらないアルバムで全曲捨て曲なしで最後まで聞ける佳作です。

さてここまでの活動を総括するのがライブです。
僕が言うところの前期の総括のライブです。
それはUnleashed in the east、1979年10月の発売です。

このアルバムからついにトムアロムがプロデューサーになります。
今後のジューダスの運命を決める人と言っても過言ではありません。

このライブは2度目の来日の中野サンプラザ公演を録音したものですが完全版ではありません。
新宿厚生年金ホールでの完全版は存在していました!

なるほどロブハルフォードの喉は少し辛そう。それでもこのハイトーン

このインジイーストは前作とは逆に、当時、輸入盤を買ってはいけなくて、日本版には小さなEP盤が付いていて
3極のボーナストラック付きでした。

しかし、レスビンクス上手い

もうこの頃になるとほぼ完全なヘビーメタルバンドです。
現代の姿に近いです。

演奏水準も高く、スバラシイ内容。しかし残念ながらレスビンクスはこのアルバムからバンドを離れてしまいます。
しかし時代は一気にNWOBHMの開花に向かって全力疾走しています。
SAXONにIRON MAIDENがデビューし、翌年の80年に大爆発するのですね。

ここまでが僕のジューダスプリーストの前期です。全く退屈することなく聴ける名曲ばかりです。
僕が言うところの中期が主にもてはやされますが、このバンドには突然変異は無く周到な準備があってその後のバンドがあるのだと思います。

また、ロブハルフォードの真骨頂はハイトーンにある事を再認識しました。やはり、バンドは今のカタチが良いかと聞かれたら絶対にそうとは言えません。人間の喉は楽器ではありませんから、年齢と共に劣化します。
でもKKもグレンティプトンもこの頃のプレイが最も良いように思います。

さてメタル好きのみなさんもぜひもう一度聴いてみてください。

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