In the middle of the nightmare
クラッチのマスターシリンダー作業を継続中の166
やはり部品の難しさは段違いです。
しかし確実に言えるのは、何とか直してユーザーの喜ぶ顔を見ることです。

マスターシリンダーはピストンだけに問題が発生しているわけではありません。
案の定、シリンダー壁にサビの魔の手が伸びていました
何度もホーニングして壁を均します

クラッチはブレーキとフルードを共有します。しかしブレーキとは全く別の位置にあるクラッチマスターのフルードを交換することは稀で
多くはブレーキフルードの交換どまりです。
ブレーキと違って、システム内が高温になったり、空気に触れることはないのでブレーキに比べればはるかに傷みは少ないのですが、そこは親水性なので
水分を取り込むことは、フルードが抱えてしまうのです。
すると、ほとんど移動の無い、クラッチ周りのフルードは、長い年月をかけて水分が残り、マスターシリンダーの内壁を腐らせます。
カングーのようにオールプラのマスターは腐らなくて良いですね。
シリンダーの内壁に、錆による「す」が出来てしまうと、そこをピストンが通過する際にカップからフルードが漏れ出し、レリーズシリンダーを押せなくなったり、シリンダー内でフルードが逆流したりして、正常な動きが出来なくなります。
そこでできるだけホーニングして錆を取るのですが

もとに付いていたシリンダーの方は、錆による浸食が酷く断念して、マーチンさんから送られてきた、見た目がサビだらけのくっさくさのマスターの方が、見た目は悪くとも、中は綺麗だったので、そちらを使うことになりました
元の状態があまりにひどかったので、画像も無いのが残念

それの錆を落として、きれいにしました

下側があきらめたシリンダー。

イナリくんがここからさらに磨いて段差を完全になくしました

それでも尚、この時点では、シリンダーがパートナーを探しているのでした。
次回に続く

