Already they known
先日、青いカングーの記事を書きましたが、実はその時もう一台、青いカングーを預かっていました。
それも、電話で入庫を打診されて、出先から直行したい緊急案件。
基本的に、エアコンが効かないのを修理してほしいとのこと。
エアコンの修理は、まず、なぜエアコンが効かないかと言う状況を整理して考えた時に、どこを見るべきか決まります。
まずはマニホールドゲージを取り付けて状況を確認します。

まず、大前提として、ガスが入っているか?
入っていなくて効かないのか? 入っているが効かないのか?
入ってなくて効かないのであれば、まずガスを1-2本入れて様子を見ます。
コンプレッサーが圧縮開始して、主に高圧側のガスの動きを見ます。
高圧側のガス圧が高くなったら往々にして、エキパンの詰まり。
クラッチが入って回っているのに、圧力に変化が見られない場合、コンプレッサーの不良
こういった情報を元に作業を開始します。
ガスが入っているのにコンプレッサーが回らない。今回の訴えはずばりそれだそう。
クラッチを接続して圧力を高めるようにする信号の12Vが来ていない、そこまでは電気屋さんに行ってみてもらったそうです。

念のために、ガスを1本入れてみます。
全く状況に変化無い為に、ガスは十分入っているのにコンプレッサーが入らないというと、真っ先に思い出されるのが、圧力スイッチです。
例えば、クラッチにダイレクトに12Vを入れてエンジンをかけ続ければ、やがて高圧が高くなりすぎて、最終的にはコンプレッサーがリリーフバルブを開いて爆発を免れるのです。そうならない為に、圧力スイッチが付いているのです。
圧力スイッチはシステムを守る為に、ガスが入っていなければ、コンプレッサーのクラッチに電気を流さないようにしています。
また、高圧が一定の圧力まで上がった時に、電動ファンを動かしてエアコンガスを液化させる信号も出します。
今回、そこまでは点検できました。ここまでは圧力スイッチを交換して、答え合わせをしまして。
一連の状況に問題が無い事がわかりました。
次に点検するのはリレーです。先ほど書いた通り、クラッチに12Vを流すのは複数の部品が絡み合ってクラッチを動かします。
なので、最も重要なのは、クラッチを動かすリレーがどのように制御され、信号が来ているかを確認しないといけません。

リレーは4極の最も一般的なリレーなので、点検は簡単です。
登場するのは
30 メイン電源+
87 クラッチ
86 エンジンECU-
85 インジェクションロックリレー+
これらのそれぞれがロジックに基づいてそれぞれ動くのです。
テスターの結果は
30 もちろんばっちり12Vがビンビンに来てます
87 30と直結すればクラッチがかみ合う音が効くことができるので、正常です。回路的には
86 後述
85 ばっちり12V確認
86、本来なら、マイナスすなわちボディアースと同じなのですが、なぜか5Vが来ます。
怪しいのはここです。
インジェクションロックリレーは正常に信号を出しているので、86になぜ、マイナスが来ないのかを探らねばなりません。
カッパの時も同じでした。マイナスのところに5Vが来て、コンプレッサーが入りませんでした。
原因は圧力スイッチだったわけですが、既に交換しています。
まして、マイナスをコントロールしているはエンジンECUです。
僕らはここからとてつもない長旅に出る事になるのでした。