マセラティM139QPのバンパー修理 其の🉁
さて、塗装の準備も終わって塗る前に当然色合わせをします
今回はバンパーと言っても上半分は塗装しません。
しかし、結構飛び石があるので、部分的には結構際どい部分も塗装します。
画像は納車する前に塗り板(試塗り)を合わせたところです。
実際に調色している時は写真を撮れませんでしたので
自動車にはそれぞれカラーコードなるものがありまして、このマセラティは226964のブルーオチャアーノ(オーシャンブルーのイタリア語読み)
で、さらにそのカラーコードはメーカーが公表する配合があるのですが、実際に塗装されているものではなく、メーカーが持つ理論的な配合、つまりこうであろう的な配合なのです。当然色ブレが多く、多くの場合、後に実車配合と呼ばれる実際にくっついているパネルを使って塗料メーカーが配合するデータが出てきます。
しかしだいたい量産車と呼ぶには流通量が少ないマセラティには実車配合はあまり存在せず、元のメーカーが出している理論値としての配合しかありません。なので実際に塗料を作って変えていくのです。
元の配合通りにつくるとすごく赤いです。紫色っぽいと言いますか青くないのです。
調色は正面と45度と15度で見て判断します。かなり赤く、青味が足りない感じがします
そこで、青紫色を赤味の無いブルーに置き換えて、さらに青味の強いグリーンを少し添加します。
何回か足す量を変えて最終的にこうなりました
物理的にいかなる方向からも同じように調色するのは物理的に無理なので、一つの妥協点にはなりますが、これでぼかして塗装します
オーバースプレーによる余計な塗装ミストをコントロールするためにカラーレスクリアーを先に塗装します。
どんどんベースコートを塗装します。
グリルの中もしっかり色が入っているのが確認できます。
飛び石などに対応させるためです
特に鼻先は多くの飛び石の衝突を受けて、下地まで削り込んだ部分があったので、しっかりベースを入れますが、隣接するパネルには行かぬように注意をしながら作業を進めます。
わかりづらいのですが、バンパーグリルからフードに向かってまがるプレスラインの少し上、フード側にある飛び石跡は、バンパーとフードの隣接麺が近すぎて、軽く研いで軽く色を入れるくらいしかできません。
しかし隣接部分には塗料が飛んでいないことは、マスキングテープを見ればわかります
続いてクリアー塗装します。
比較的よく使用するVOCエクストラクリアです。
クリアーと硬化剤は3:1のシステムです。
1回目のクリア。1.5コート呼ばれる1回目は軽くのせるだけ、2回目でがっちり載せるシステムです
ここからは2回目
濃い色は映り込みが強く一段と輝きが強いです。
55℃で20分焼きます。画像では残り3分ですが、20分ほどあぶるのです
焼き上がりはこんな感じ
夜はかなり温度が下がるのでクリアの硬さが日増しに硬くなって、季節の移ろいを感じます。
次は組み付けです。
バンパーの塗装修理と言っても色々な行程があり数万円では修理出来ないことが分かります。
そこには、手間暇と技術が存在しますね。
そーなんですよ。特に輸入車はおしなべてクルマ好きな方が多いので特に気を付けて作業しないといけません
念には念を入れて、それでも慎重に作業します。