緊急のW210

先日、ブレーキを整備したW210のワゴン。ワゴンは本当はW210とは言わないんだっけ?まあいいやそんなの。
ある日電話がかかってきて、実は今、クルマが動かなくなって困っています と緊急を要する案件

しかし、こちらも手一杯で、かなり困っています。
電話口で症状を聞くと

1.エンジンの始動は可能
2.PからDにしても全く動かない。エンジンの回転だけが上がってギアがつながっていないような感じ。
3.何かチェックランプが点灯
4.しばらくエンジンを止めて待ってからかけると、明らかに走りがおかしいが何とか自動車が動く。

こんな感じでした。

電話口で
①この症状はクラッチが滑っている状況ではないかと思う。
②高額な修理費用が発生する可能性がる
③とりあえず保険会社のレッカーを呼んで対処してもらう

この内容を伝えて、受け入れ先を探すことにしました

結局、無理に頼み込んでMPIのセカンダリー・アウトソーシング(かっこいい言い方)のCFTにレッカー搬入してもらうことになりました

翌日、CFTに行くと

CFTに佇む、ついに動かなくった210

H富社長から意外な言葉が出てきました

レッカーからおろした後、普通に自走でここに入れたよ。

え?クラッチのスベりじゃないの?

H富社長は、電気的な故障じゃないかな?と言います。
早速、診断機を当てて様子を見ます。

確かに、ユーザーはエンジンチェックランプが点灯していると言っていました。
トランスミッションのマークではないのか?確認するとエンジンの警告灯ではないかと思うと

これは確かに普段点きっ放しなものではないので、何か勘違いしたりしやすいので、あまり深く考えませんでした
でも、エンジンが正常で、回転数もアクセルに反応して普通に吹き上がるのに、エンジン側に問題があるなんてトラブルはかんがえられません。

論より証拠で診断機を取り付けます

W210はOBDコネクターはありますが、いろいろな情報が見たい場合は38ピンのコネクターを使います

昔懐かしいコネクターです

で、何やら出てきます

MEで見れるエンジン制御側の情報はみんなEGS,つまりATコントローラーのトラブルなようです。
これでチェックランプが点灯したのではないかと

なるほどATにはなかなか物騒な情報が入っています。

P2001のコントロールユニットが故障しています う~ん

シーメンスのこれ?

念のため、コネクターを外してオイルの侵入がないか確認します。

メルセデスは昔からよく、ATのオイルパンに入っているコネクターのシールリングが破損して、配線を毛細管現象でオートマチックフルードが長い時間をかけてエンジンルームまで登ってきて、最終的ATコントローラーユニットに侵入し、オイル浸しにしてECUを破損する事例がいくつもあります。

でも今回は特にありませんでした。

ではなぜこのメルセデスはオートマが壊れてしまったのでしょうね?
次回に続きます

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