世の中、必ずしもうまく行くとは限りません

だいたい世の中のブログは、キレイに直っている話ばかりがネットに踊りますが、おそらく必ずしもすべてがキレイに、うまく行っているとは思えません。
それが証拠に、受け入れを断られるケースや、逆に僕らも受け入れを断る場合もあります。

直せないクルマや直らないクルマ。
正直な所結構あります。今回はその直せなかった仕事です。

オルタネーターの修理を終えたクアトロポルテが出庫するのと入れ替わりに入庫したクアトロポルテ
オーナーはいくつかの不調を訴えてお帰りになったまだ夏の真っ只中8月中旬。
基本的にオーダーは車検であったのですが、付随する作業が結構あって箇条書きに書かれたメモを頂いて、それに基づいて作業しました。

車検なので数週間でお返しできるだろうと高をくくっていたこのとき、とんでもない結果になるとは思いもしませんでした

作業の指示に従って作業して車検を受けに行った当日。検査に行ったEくんから入電
ライトが暗すぎて到底検査に通りそうにないと。

検査を中止して工場に戻ることになりました。

ライトが暗いというのはアレが原因です。
以前記事にしたことがありましたが、プロジェクターヘッドランプが白内障になり光量が足らないばかりか、焦点すら出なくなります。
リフトを開くのを待って作業します。

実はこの間に既に紆余曲折があって、この時点で10月1日です…
その理由は後述しますが、とにかくライトを何とかします

一見明るいこのライト
見るのと測るのではまたちょっと違います。
また、ロービームとハイビームが同じライトのバイキセノンなので、光量が出ないと避けて通れないのです。

ライトの取り外しは裏側のホイールハウスライナーを外して行います

ライトを止めているボルトだけでなくフェンダーのステフナーも外さないと出てきません。

ヘッドライトウオッシャーがあるので、一人での作業は無理です。

目玉が外れました。おい鬼太郎!

反対側も同じように外します

ここからさらに眼球を取り出します
次の画像では簡単に外れていますが、これがとても難しい。と言うか狭いのです

外しました。ライトが暗い元凶はこれです

この白内障をキレイにしてやるのです

いいですか? いきますよ

ハイッ どうですか~お客さ~ん!

さらに仕上げてよりキレイにします。

作業する前の反対側と比較

気持ちいいまでの違いようです

反対側もキレイにするのです

出来上がったら、レンズを戻していきます。
これがなかなか難儀なのです。
とにかく狭い。
その上に光軸調整用のモーターやら配線やらがあって、ひーひー言いながら作業します。

出来上がり!
そして試射すると
なんとレンズ表面に汚れがあるじゃないですか!

もう精魂尽き果てたので、やり直しは後日に行います。

そして再度作業すること1週間後

再び取り外してみてみます

キレイなモンですよ。

しかしね、残念ながらこのように汚れがあるのです

レンズに付いた油汚れが見えますね。
きったない手で触ったのではなくおそらく、光軸調整用のモーターにグリスが塗ってあって、そのグリスに触った配線が、レンズを入れるときに接触したのだと思います
これはライトを点灯させないと見えないんですよ。

他にも油汚れが散見できたので徹底的に掃除します

汚れが無い事を確認したら再びレンズを入れます。今度は接触が無いように本当に慎重に作業を進めます

今度は良さそうです。
しかし… 片側のライトは中川のギアが破損しているようで、左右の調整が出来ない事がわかりました。
それでもどうにかして車検が受かるように全集中で検査に向かうのでした….

続く

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