前進する気持ち 復路編
さてプジョーのエアコン修理も最終回
ところで、僕に自動車修理を教えてくれた親方は、僕が入社したときは既におじいちゃんでした。
ヤナセで長く働いた人で、メルセデスの事をベンツ(Benz)と言うのは良いのですが、いつもメモ書きするノートにはベンズと書いてありました。
違うものを想像するから、他の書き方にしたらどうでしょうか?と提案したのですが、最後までベンズでした。
一方、時間が経って今、MPIの仕事をこなしてくれるEくんもプジオとかチェブロレット(何の自動車メーカーかわかりますか?)と言います。
僕の身の回りには常に面白い人がいます
そんな事は置いといてプジオです
コアサポートをずらして引き抜いたクーラーコンデンサーを交換します
くらくらするほど暑いです。
コンデンサーを挿し込んで
Oリングももちろん交換
どんどん戻して行きます
このプジョーのクルマの設計の良さは国産車のようです
完全にシュラウドで囲うようになっていて
バンパーの空気の取入れ口から入った空気は全て逃さぬようにコンデンサーやインタークーラーに当たるようになっています
最近の輸入車は良く対策されていて、日本の暑い夏でも大丈夫な設計になってきましたが、僕の166なんて、日本の夏をおナメになられているので
全然コンデンサーを冷やしきれません。
こんなチンケなシュラウドでラジエターやコンデンサーを冷やせるワケがありません。それでも外気温が30℃台ならなんと行けます。
しかし、外気温が40℃を超えて走っていても42℃とかをマークする日本の本気の夏だと、水温も上がり始めてドキドキします。
中期以降は大丈夫そうですが…
一通り組み付けました。
続いてライト
コネクターにゴムのバリゲードがあります。
ライトの取り付けの一部。こういったところにもクルマを作った側のセンスの良さを痛感します
ライトの下側のボルトはこういったラチェットなどの駆動工具がまっすぐ入るようにフレームの下側が少し斜めにカットされたデザイン。
今後、アルファロメオなど一連イタリア車にも、ぜひこの精神を叩き込んでもらいたいです
本当にこれには心がほっこりします
ほっこりするような温度ではありませんが、良く使われる表現なので…
一通り組みあがったらガスを入れてみましょう
今度は良い感じですよ。
規定量入れた結果は上々です。しっかり吸い込み、しっかり圧縮。
低圧パイプが結露しています。手で触ると冷たいです。
車内も良く冷えています。
クルマの下側にも水たまりが。
これはエアコンのエバポレーターが強烈に冷えて結露しているので、エアコンのシステムが良く働いている証拠です。
ヘタすると何か漏れていますなんて言う人すらいます。
翌日試運転します。
外気温44℃!テストにはちょうどいい温度。
暑いですねえ。
ボンネットフードの温度は64℃。素手で触ると痛みが走るほど高温
しかし車内は驚くほど快適。
ついにエアコン修理は終了し、ユーザーの元に帰って行きました。
今回も一筋縄では行かずかなりな労力と時間を突っ込みましたね。なかなか自動車整備とはうまくいかないものです
ご利用いただきありがとうございました。