国内に正規に輸入されなかったアルファロメオ146の修理

正直なハナシ、この修理が入庫すると聞いた時に解決法が到底考えられませんでした。

ドアが外れそうだという、前代未聞の相談から話しは始まりました。いつものお客さんのクルマなので入庫はどうとでも出来るのですが、問題はその故障の内容です。

〇〇の調子が悪くて走れそうにない、とかエンジンが掛からない、とかは理解できますが、ドアが外れそうという訴えは、事故でもない限りまず聞いた事がありません。
いや、事故を起こしてもドアが閉まらなくなっても、取れる事は滅多にありません。ドアを開けたままバックして何かにぶつかったとか?
しかし、特にそういう事はなく、突然外れそうになってしまったとのこと
在りうるの?そんなこと?

レッカーで到着したその時、見た物は?フツーの状態でした。
なあんだ、外れそうって大げさな。と思って、ドアハンドルを軽く引くと

なんとドアがおっこちて来るじゃないですか!

慌てて戻そうとするも時既に遅し、自分に向かってフロントドアが倒れてきます。
しかし、その瞬間、そばにいたレッカー屋さんに助けてもらって難を逃れましたが、大変な事になるところでした

さらによく見てみると、上側のヒンジに問題があって、下側のヒンジは生きています。
また、ドアの開き過ぎを抑えるチェックロッドもあり、取れそうになる物の、実際に取れる事は無い様子。
とはいえ、上側のヒンジの機能は奪われ、下側だけで50kgはあろうかと言う、ドアコンプリートを支え切れるはずがありません。

とりあえず、ドアを外してどうなっているのかを確認します

引きちぎれています。

アルファロメオのドアヒンジはドア側の蝶番と車体側の蝶番が組み合ってヒンジになるメカニズムで、ヒンジASSYが存在する日本の自動車とはちょっと違います。
BMWは車体側が溶接されていて、ドア側にボルトオンのヒンジがあります。アウディはこの146と同じく、車体側にボルトで止まっているヒンジがあります。
つまり欧州では比較的ポピュラーな連結方法なわけです。

しかしそのドア側の溶接がサビで溶けたのか金属疲労と共にごっそり無くなっていて、最初はこれを溶接して、内側だけ塗装したらどうかと考えましたが
ドアヒンジの位置決めは大変に難しく、へたにくっつけたら二度と取り付けできない状態になりかねません。

これにはほとほと困り果て、どうやって修理するか考え込んでしまいました。何しろ、日本には全くと言ってよいほど部品がありません。
ドアパネルは146専用の物で、交換が効かない。
当然のようにヤフオクなどにはありませんし、海外から輸入するには大きく重すぎます。

でも、ふと思いついたのです。あそこなら持っているかも?

イタリア車・フランス車中古パーツ全国配送|株式会社ゼロクラブ|ZERO-CLUB official

おそらくは、この手のクルマに携わる者なら一度は利用したことがあるかもしれない、イタフラ車の大家、ゼロクラブ。
電話して聞いてみると、まんまとありました。ドアが。
これまたご存じの通り、結構なお値段でしたが背に腹は代えられません。

結構な値段の割にドアパネル以外、スケルトンな部品が来ました。
まあ、かえって手間が省けてよいのですがね

しかし古いクルマなので、多少のキズは止むを得ません。
多少のキズを直します

黒いサッシュテープもありましたが、もちろん剥がします。これまた結構大変でして

パテを落として次はサフェーサーの準備をします

もちろん剥がした跡の糊もキレイに除去しないといけません。ヘラとシリコンオフで行います

さらには、シルバーにしないといけないので、ステッカーやリフレクターを剥がします

裏側にも足が付いたら塗装準備です

サフェーサーと裏吹きのタイミングを計ります。
続きは次回

\ 最新情報をチェック /

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です