アルファロメオ147のオイルパン修理 その2

取り外したオイルパン。
よく見るといろいろな事が分かります。

これを機械加工屋さんに出して直してもらうのですが、その前によく見てみます

ネジ山が傷んでいるのが良く分かります

アルミのオイルパンはトルクの管理が難しく、多くの場合、締めすぎてメカニックの手により壊されてしまうのです。
へたすると、ディーラーがトルクレンチを使って、メーカーの規定トルクで締めてもダメになる場合もあったとEくんが話してくれたのを思い出します。
もちろん、柔く締めたらもっといけないのだけど

このアルファロメオのオイルパンの場合、ストイックなクルマ作りもネジ山が潰れてしまう一端を担っているところがあります

おそらくは最後の最後までできるだけオイルを絞り出したいのか、一部に「欠け」があるのが分かります。
ここの部分だけで見ると3山くらいしかありません

その部分の傷みは特にひどいように思います。
とにかく原因は締めすぎです。おそらく最終的には誰が締めてもやっつけてしまうロシアンルーレット状態だったように思います。
誰が壊すかと言うより、誰がババを引くか….

そしてねじ山を壊してしまう遠因としてドレンボルト形状にも問題があります
右は新品のドレンパッキン付き、左は取り付けてあったドレンボルトです

左のボルトを見るとテーパーになっているのがはっきり分かります。テーパーで入っているのだからドレンパッキンはあってもそれほど効果は無いように思います。

しかし、テーパー構造の為に、締めこむとテーパーが接触面に食い込みやがて抜けようとする方向に反発します。最もねじ山を壊す瞬間です。
面白いのが、ユーザーにオイル交換をした技術者がドレンのネジ山がダメになっている、と伝えたと聞きましたが
そのメカニックもなかなか気の利いた人で、ドレンワッシャーを2枚重ねにしてテーパーが殺してあり、なるほどと思わせる業師でした。
さらに面白い事に

古いドレンボルトは多少ならトルクをかけて締めこむことができるのですが
新品は

最後のボルト山まで入ってしまいトルクをかけるどころか、手でクルクル回ってしまいます。
がったがたになります。古いボルトはなぜだかしっかり締められるのですが、新品はほんの少し、細いのかもしれません

今回はこれを修理するにあたってイナリくんのつてでお願いすることになりました

結果はどうでるか?
次回をお楽しみに

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