166のいろんな整備依頼 その1
いつものお客さんです。LHDの6速マニュアルの166
まずはクラッチペダルの動きがヘンなので調整してほしいとのこと
よく、ブレーキのふんだ感じを何とかしてほしい、などの話をされる事がたびたびありますが、ブレーキやクラッチなど踏む物の多くはそういう物で踏み代やフィーリングを変える事は基本的にできません。しかしそれは機器が正常に機能している事が前提で、中にはトラブルを抱えていることもあります
今回、クラッチを踏むと引っ掛かるようになってポコンとペダルが戻るような事があるので調整してほしいと
実際に乗ってみると、完全にクラッチオペーレーティングがおかしいです。
不動になる一歩手前でした。
油圧のクラッチの仕組みは運転席内にあるクラッチペダルを踏むことにより、クラッチマスターシリンダーが押されて、クラッチフルードがその先にあるレリーズシリンダーを押すのです
マスターシリンダーと言うくらいですからマスター=主人 その先はスレイブ(奴隷)シリンダーとも言われます。ちなみにレリーズシリンダーとかレリーズフォーク何て言いますが
レリーズとはRelease(解放する、自由にする)をローマ字読みにしたものです。
そのマスターシリンダーはちょうど注射器のような仕組みと考えてください。
注射器の中には液体が入っていて、シリンダーを押せば、注射器の先端から中の液体が出てきます。
しかし、シリンダーのゴムのパッキンが傷んでいたらどうでしょう? 注射器は圧力をかけて、先端から中身の液体が出るためにシリンダー内には圧力がかかります。
その圧力が注射器のシリンダーの外に漏れ出てしまいます。
今回はまさしくそれで、マスターシンダーの不良が原因なので交換することにしました
しかし、左ハンドルのマスターシリンダーなど日本にある訳もなく、156や147などのその他のモデルとの互換もないようで、それだけ輸入することになりました
さっそく交換おば。ライトコントロールモジュールなどを外します
ステアリングシャフトの左横に見えるのが目的のマスターシリンダーです
これをやっつけるわけです。
車内でクラッチフルードが多く漏れないようにエンジンルーム側、レリーズシリンダーのところで徹底的に抜きます。
新旧マスター。真ん中のブッシュが無い方が旧い方です。ブッシュは傷んでいて、外す際にバラバラになってしまいました
ちなみにプラスチックのパイプからフルードが供給されるワケですが、ブッシュの付いた物がシリンダー圧力をかける部分で、その先のゴムのパッキンをカップと言います。
そこが傷むと、圧縮したフルードが供給側にもいってしまい、クラッチペダルを踏んでも行ったきりになったりするんですよ
取り付け、取り外しはやはり狭くてつらいですから、手伝ってかわりばんこに作業したりします。
まずはクラッチはこれにて一件落着