世の中、必ずしもうまく行くとは限りません パートⅡ

これも上手く行かなかったクルマです。

これはまだまだ暑い9月の終わり。エアコンが効かないという訴えで入庫したマセラティグランクーペ。
一口にエアコンが効かないといってもいろいろあります。
コンプレッサーが悪いのか? ガスが入ってないのか?などなど
これはそもそも風が出ないそうです。

風が出ない??ブロアファンの故障です。
ちょうど、この前にクアトロポルテのエアコン修理したばかりだったので、その記事から僕のところに連絡を頂いたようです。
何よりもちょうどこの自動車が入る1週間ほど前にクーペのエアコンを作業したばかりでした

なので構造を見ていたのも幸いしましたが…
さりげなくこの2台、兄弟のようで結構違うのです。

ハナシを伺うと、以前から動いたり、動かなかったり。だんだん動かない時間が長くなって数か月動いていないということでした。
それでもまれに動くことはあったようです。つまり動けば普通に回って風が出てきて、車内は冷たくなるようです。
と言う事はリレーか本体の接触不良
レジスターは使ってないみたい。さらにはブラシレスモーターです。

さてさてどこからブロアファンにアクセスするんだ?
グローブボックスを開けて見てもなんだかファンが見えません。

カウルトップベンチレーターを外してみます

その前にこのフィンの入ったカバー外さないと
カバーはフードアブソーバーが突き抜けているので、アブソーバーも一度外します

しかしカウルの中になんか何もありません。
パネルを取ったらパネルが出てきた、みたいな(笑)

なんだよ~、せっかく外したのに

戻って、再び車内

クーペはグローブボックス回りをごっそり取れば簡単にブロアファンモーター回りにたどり着けるのですが
グランクーペはなんとなんと、グローブボックス以外は全てインストゥルパネルと一体で、モーター見ることすら大変です。

この上の黒いプレート部分

何気ないこのパネル。ダッシュボードと一体。
という事は、この奥…

どうにか写真を撮るのに成功しましたが、触る事すら難しい。触る事どころか見ることも難しい。
なんちゅークルマだ

この↑の先がブロアファンの配線です。
これを壊すつもりくらいに強く引っ張たら、動くようになりました。
え~、それだけ?
そうそれだけ。他にできる事と言えば、ダッシュボード外し…

とりあえず動くようになったので、一度ユーザーに返しましたが、こんなの修理でもなんでもありません。
しかし、これを完全に治すにはダッシュボードの脱着が避けて通れません。
触る事すら困難なクリアランスです。

おそらくまたまたブロアファンが日本の暑い夏に耐えられなくて、モーターに電流が流れすぎてコネクターの焼損の可能性が高いです。
先のQPやアルファロメオ156GTAなどでもやりましたが、結局大きな電流に耐えられないで、結局溶けてしまう。
このグランスクーペも、やがてはダッシュボードを外して、直すようだろうなあ。

すばらしいクルマです。クーペに似ていますが、相当に進化しています。
その後連絡を取っていませんがその後はいかがですか?


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