カングーのブレーキから異音
カングーのユーザーさんからリアブレーキの異音の相談がありました。
リアブレーキからゴゴーっと音がすると
ブレーキ踏んでゴゴーと言う音と言えば、ブレーキパッドの残量不足です
さっそく入庫をお願いいたしました

まー、やはりと言いますか

でも反対側はというと、それほどでもありません

見ると、1年前に車検を受けていますが、記録簿には残7mmと書いてあります。
しかし今、1年1万キロ後に0mmになってしまうとはこれいかに

しかし、ブレーキローターを挟む反対側は
5mm位あります。

これが意味することはずばりスライドピンの固着です。
ブレーキキャリパーで、ブレンボのような対抗するピストンで押すタイプのキャリパーはピストンの戻り以外にブレーキを引きずることはないのですが、片側押しのシングルピストンの場合、キャリパーの半分のキャリアがスムーズに動いてくれないとパッドの片側を引きずってしまう事になります

それがゆえにブレーキローターもかなりゴーフレット化も進んでしまいます
風月堂のゴーフレット、おいしいですね~

このブレーキの引きずりを防止するのはブレーキの分解整備以外にありません。キャリパーを分解して、清掃してスライドピンをしっかり給油したりして
スムーズに動くかを整備するのです。
多くの整備工場では日ごろからこのような地道な整備によりクルマは壊れることなく動いていることを忘れてはいけません
ユーザー車検ばかり通しているとブレーキ周りの分解整備がおろそかになってしまいますぜい
だがしかし、このクルマはちゃんと整備工場で点検整備を受けていたんですよ
じゃあ、前に作業した工場が悪いのか??
そんな事は分かりません。けど、原因の追究や下手人探しなど僕はあまりしたくありません。
よくこの手の自動車整備系ブログは、他人の作業ミス、知識不足、思い違いなどを燃料にブログ書いている人がいますが、僕はあまりそういった事に関心はありませんで
誰にだって間違いや失敗、判断ミスはあります。もちろんそれを少なくするのが僕らの務めですし、自動車整備業においては簡単にひと様の命を奪いかねないような、重篤な結果になることもあります。いわば失敗が許されないわけで、ですが、やはりヒューマンエラーはつきものですし完全なる排除は残念ながら難しい状態にあります。
それを首を取ったかのようにいかにもと掲載するのもいかがなものかと思うのです。まがい成りにも同業者ですし。
ミスや勘違い、忘れ物などは事業規模の大小などは関係ありません。有名店でもあれば、もちろん小さな町工場でもあります。
人はともかく、自分ではそういった事が無いように、日々努力したいと思うのです。
閑話休題、このカングーはリアロアーターにホイールベアリングが取り付けられた、変わったローターで少々お値段が高いのです。

相変わらず徹底した部品点数を減らした造りになっているようです。


リアのブレーキシステムは清掃され、分解してグリスアップして、軽く、スムーズに動く事が確認されて元に戻しました。

初動が早く、部品も上手く手配できて、1泊2日でユーザーの元に帰って行きましたとさ
