アルファロメオ147のオイル漏れ

初めてのお客さんで147のオイル漏れを修理したいという打診を受けて入庫していただきました

思えば夏休みの終わりを告げる8月終盤。うーん、そんな前なの?そうそんな前なの。

以前修理に出した先で、クランクリアシールからのオイル漏れ、ドレンプラグのネジ山が壊れている為に完全に締まらないそうで
セカンドオピニオン的な感じで来店いただきました

ではさっそく拝ませていただきます

思っていたよりはるかに油漏れの形跡はありません。少々、肩透かしを食らった感じ
油がにじんだ汚れはそれなりにあります。そしてなぜだかラジエターホースにATFかパワステフルードが

クランクシャフトはエンジンの前後(横置きであっても「前後」と言う表現は変わりません。)を貫いて前はクランクプーリーを後はフライホイールを動かしています。
フロントシャフトの交換は主にタイミングベルトの交換時に一緒に交換するのが常でありまして、一方のリアはトランスミッションを外さなければ、交換できない難物であります。
そのリアシールがだだ漏れになったら大変な事になります。

しかしそれを心配してトランスミッション外しのクランクリアシール交換なら、同時交換でクラッチオーバーホールも臨むことになるのです。
しかし、この程度なら…. 

これらは以前、タペットカバーパッキンからの漏れの名残ではないかとさえ思うのであります。
僕はこの程度なら無理にシャフトシールの交換はしなくてもよいのでは?と思った次第なのであります。

しかしこっちはのっぴきならない状況でしょう?
いつ何時ドレンボルトが全く利かなくなってもおかしくありません。
オイルパンの修理は必須かと

しかしオイルパンがおとなしく外れてくれるかどうか

恐怖のアルファロメオあるあるで、見た感じすんなりいきそうなものほどものすごい苦労が待っている説
にならなきゃいいけど

で、今回はクラッチオーバーホールは止めて、オイルパンとエアコンの修理で話が決まりました

ところで、オイル漏れですが、エンジンからのオイル漏れでおそらくトップクラスに多いのがそのクランクシールだったりします。
クランクシールから漏るのは個人的な見解としてはエンジンオイルの劣化により健全なオイル膜が形成できなくなり、ブローバイがクランクケースに逃げて、圧力に弱いクランクシールからにじみだすのではないかと考えています。
人間の体と同じで、一度上がってしまった内圧はこまめにメンテナンスすることでかなり改善します。しかしクランクシールからにじみ出たオイルが地面やエキゾーストに落ちて、しばしばユーザーを驚かせることがあります。

特にコンクリートの地面の駐車場に止めている場合、クルマをどかすと大きなシミができていて、こりゃ一大事、と考える人がいますが
案ずることなかれ、手のひら大のシミが出来たのはオイルが染みこんで、そうなったのかと思われます。油なので地面に落ちると大きく広がり、大量に落ちたのかと思わせます。
そんな時は、いつも止めている場所で反対向きに止めて、クルマの下に新聞紙などの紙を敷きます。

時計を見てスタート時間を確認したら数時間放置して、一晩=12時間に2滴オイルのしずくがあったとします。
塗料の1滴は0.025ccと計算しますが、エンジンオイルも油性なので、ほぼ似たような物でしょう
すると12時間で2滴=005cc 24時間で0.1cc 30日で3cc 300日で30cc
1リットル流出するのに果たしてどれくらい時間が必要でしょう?
つまりその程度しかなくならないのです。これを元になんとなく計算して見たらいかがでしょうか
俺のは結構漏れんぞ、と言う人。4倍にしても8滴 300日でも120ccとコップ一杯にすら満たない量です。
んー、でもその上だとオイル漏れに近くなってくるかなー? 動かせば油圧もかかりますし

多くの場合は滲んでいる程度です。地面が深刻なまでに汚れる=完全に漏れている状態だと看過できなくなりますので
その時は早急な対処が必要になります。

という事で、次回は実践編となります

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