そんなの知る由もないと思うけど
先日相次いでマセラティが入ってきました。
その中の1台、新しいクアトロポルテ、M156系はMPIでは初めて修理するのですが
僕らの想像をはるかに凌駕する難易度の高さでした
作業の依頼は簡単で、エアコンが効かないそうで、それの修理となります。
まずは何がいけないのか確認するためにマニホールドゲージを付けて見ますと
殆ど大気圧です。なあんだガス抜けじゃーん。と思ったら
ガスを入れてもちーっとも圧縮しません。
ガスを引くこともしなければ圧縮することもしません。仕事を放棄しているのであります
この恐るべきごちゃごちゃさ加減が行く末を案じます…
診断機を繋げてもエアコンのシステムに異常はありません。どうやらクルマのコントロールユニットは自分に間違いはないと思っているようです。
こんど詳しく書きますが、ついに診断機も新しい物を導入しました。
それでも、CANの通信不良くらいで大した問題はありません
で、さらに調べると、コンプレッサーはどうやら常時クラッチ接続の可変タイプのコンプレッサーです。
となると
基本に立ち返りまず、ヒューズから。
ヒューズもたくさんあるのですが、コンプレッサーのヒューズを見たら、切れていました!
なあんだヒューズ切れじゃーん。と思ったらヒューズを替えてもパチっと音が聞こえるほど盛大に切れます。
コンプレッサーを見てみます
車両下側からわずかに見えるコンプレッサー、マグネットクラッチのコネクターを引き抜いて再度ヒューズを入れてエアコンをONにすると
ヒューズは切れません。この時点でエアコンのコンプレッサー交換が確定しました。
しかし、このコンプレッサー、どうやって外すのでしょう?近くには配管などが縦横無尽に通ります。
マセラティのコンプレッサーはこれもそうですが、フェラーリと並んで他の車種では使いまわしをしていないデルファイのコンプレッサーです。
フェラーリ360でも、マセラティクーペでも経験済みのヤツです。
しかし、今回少々勝手が違うのが環境です。
コンプレッサーを交換するにはベルトの脱着が確実に必要です。
しかし、そのベルトは見る事すらできません。一体どうなっているのでしょう?
これから始まる地獄を僕はまだ知りませんでした…