ここは地獄の1丁目

度々出演いただいているW210のワゴン。正確にはS210になるの?
果てしなく作業したクルマな割に覚えが悪い僕ですが、またまた入庫です

今回はマイナートラブル。と言っても多くの場合、マイナーでありながら直さなくてはいろいろ問題になるケース。
W210とて、生産から20年の年月が流れ、りっぱな旧車の仲間入り。
でも愛好家も多く、今日こうして部品が出るのもメルセデスの大看板あっての事でしょうか
まず、リアゲート。ロックがかかると外から開けられないそうです

なるほど確かに開かないのです

まあ、ロックがイケナイのは分かりますが

結構な構成部品
では部品交換を、と思ったら

肝心の部品が出ません

なぜなら、キーシンダーがらみの部品故、外部に販売できない部品だとか

はあ? 確かにメルセデスと言うクルマは高級車の代名詞で、盗難の歴史であるのは理解できますが、W210の後期ですら20年超えなのに外販ができないとはどういうこと?
まあ、そんな事、世界の中心で文句を叫んでも誰も相手にしてくれないので、こちらにはこちらの考えがあります

ドアごと買ったれ。

中古部品のドアを買ってロックを入れ替えればオケーなハナシです。

ちなみにロックの部品ですが

ドアロックアクチュエーターを分解すると

ダイアフラムにばっちり穴が開いています
この頃までメルセデスのドアロックは例のバキュームを利用した空気の流れでドアロックをコントロールする方式を使っており
ドアのロック/アンロックは空気の吸ったり吐いたりでロック/アンロックコントロールしていました。

昔はダイフラムが原因で壊れるなんてなかったのですが、時が流れてこんな風に壊れてしまうのですねえ。

生産から長らく経つKジェトロニックのクルマの多くはダイアフラムを使ってアイドリングなどをコントロールしていたのですが、そのダイアフラムが壊れて直すのに強烈な費用を要するケースが多いのを散見します。
MPIの塗装室内のレギュレーターもダイフラムが壊れました。

こういったゴムのダイアフラムを使った物はやがて壊れる運命にあります。
作った側はこんなに長く使われる事を前提に作る事を考えてなかったのでしょう
でも、日本はバブルの絶頂の時代、欧州車の多くはそのKEジェトロを多く使用したのに比べて、Lジェトロを使い、Kジェトロは日産とVWの混血、サンタナくらいにしか使われなかったのですが、多くのクルマがこのKジェトロを使っていたら、日本の旧車業界も変わっていたかもしれませんね。

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